
0.はじめに
今日はドクター・マクスウェル・モルツという人物を紹介したいと思います。テーマはサイコサイバネティクスです。私は今までにも自分のとらえ方を出来るだけポジティブに捉えることが大切であるということを今までに何回か書かせていただきました。そのことをさらに深めてみたいと思います。
彼についてご存じでない方も多いと思いますので、簡単に略歴を紹介します。モルツ博士は1899年にニューヨークに生まれ、1975年に76歳で没しています。1921年にコロンビア大学で学士号を、1923年に同大学内科・外科カレッジで医学の博士号を取得。ドイツで形成外科の臨床研修を経た後、再びニューヨークの病院で形成外科に携わります。その後、数多くの患者とのカウンセリングを通して発見した知見を、サイコサイバネティクスという独自の成功法則として構築しました。
サイコサイバネティクスという言葉が出てきました。この理論こそが、多くの人に注目された要因です。具体的には、自分のセルフ・イメージが自分を規定してしまうということです。すなわち、自分が思い込んでいるような人間になってしまうということです。では、どうして、このようになってしまうのでしょうか?このことについて、彼のエピソードについて、書こうと思います。
1.サイコサイバネティクス(phyco-cybernetics)という理論が生まれたきっかけ
これは、モルツ氏が形成外科の時に起きたお話です。アンナという患者がモルツ氏のもとにやってきました。モルツ氏は名医で、沢山の患者の外傷を直してきたということもあり、今回もすぐに何とかなるであろうと考えて治療に臨みます。
アンナは事故によって、顔に大きな外傷を追ってやってきました。モルツ氏は、いつものように治療して、結果的に顔の傷は綺麗に治りました。しかし、鏡で自分の顔を見たときのアンナは「違う」と言います。
何が違うのかということが、モルツ氏には理解が出来なかったのですが、のちにその理由が母親から教えてもらえます。アンナの母親はアンナが交通事故の直前まで、ある男性と婚約していたこと、そして、
事故で顔に大きな傷ができてしまったのをきっかけに、男性に逃げられてしまったことを話した。できることならこんな話は誰にもしたくはないが、愛する娘の顔の傷を治してくれた恩人ということもあり、母はつい口を滑らせてしまった。
そのことを聞いて、モルツ氏はアンナに直接かたりかけました。
「アンナ、顔の傷はもうなくなったのだよ。もう綺麗な元通りの顔に戻ったのだよ。」
「でも、彼はもう戻ってきません…」
「アンナ、君は自分が悪いと言っていたけれど、自分を責めているのかい?」
「…」「ええ、そうですね。自分が嫌いです。なんで事故なんて起こしてしまったのだろうと・・・、今でもそのことばかりが頭をよぎります。」
「アンナ、なぜ、自分を責めるんだい。逃げたのは君じゃなくて彼の方じゃないか。なんで他人がやったことで自分を責めなければならないんだい?」
モルツ氏は熱い口調になって問いかけた。彼にとってみると、他人の起こした事件によって、自分を責めたり、後悔すること自体がばかばかしく思えた。
暫く、アンナは黙ってしまいます。そしてこの際の面会は終わりにして帰ろうとしたときに、アンナは「頑張ってみます。先生、今日はありがとうございました。」と伝えた。
その後、モルツ氏は、自分が直したのは外傷であったが、アンナに必要だったのは心の傷ではないかと。そして、医師として、心の傷を治すことも必要ではないかと考えるようになりました。
その後、病院で忙しく働いているときに、アンナがやってきます。半年前に会ったのが最後で、満面の笑みを浮かべていたこともあり、誰かが分からなかったそうです。
アンナはあの日以来少しずつ自分を変えていきました。元に戻らないで自分を責めるのは辞め、ポジティブに物事を捉えるようになりました。
この経験をもとにモルツ氏は一冊の本『サイコサイバネティクス』という本を出版します。
2.モルツ氏の発見したサイコサイバネティクス
サイコサイバネティクスという理論は主に二つのことが基盤としてあります。
2-a.セルフイメージこそが自分を規定する
2-b人間の脳には自動的に成功を追い求めるメカニズム(A.S.M)が組み込まれている
このことについて簡単に説明したいと思います。
2-aセルフイメージにより規定される
私たちは、自分に対して何らかのイメージを持っていると思います。
3.私自身の問題意識
4.これからの時代において求められるもの
0 件のコメント:
コメントを投稿